2024/11/18 09:07
アロマテラピーに興味がある方は、精油の「光毒性(フォトトキシシティ)」という言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。精油の中には、紫外線に当たると皮膚に強い反応を引き起こす成分が含まれているものがあり、これが光毒性と呼ばれるものです。特に柑橘系の精油に多く見られる光毒性の特性と、注意点についてご紹介します。
光毒性とは?
光毒性とは、精油が皮膚に塗布された後に紫外線(特にUV-A波)に晒されることで、皮膚が反応して色素沈着や炎症を引き起こす現象です。光毒性を持つ成分の一つに「フロクマリン類」があります。フロクマリン類は紫外線に反応しやすく、皮膚にダメージを与える原因となります。柑橘系精油のうち、特にベルガモット、レモン、ライムなどはフロクマリン類を多く含むため、光毒性が強いと言われています。
光毒性を引き起こしやすい精油
以下は、光毒性が特に強いとされる代表的な精油です。
ベルガモット(ベルガプテンが含まれるため、最も光毒性が強いとされています)
レモン(特に冷圧搾法で抽出されたものに光毒性があります)
ライム(冷圧搾法のものに強い光毒性)
グレープフルーツ(冷圧搾法の場合に若干の光毒性があるとされています)
なお、これらの精油でも蒸留法で抽出されたものは、光毒性が低い場合があります。しかし、使用前には必ず製品の表示やメーカーの説明を確認することが大切です。
光毒性のリスクを避けるための使用方法
光毒性のリスクを避けつつ精油を楽しむためには、以下の点に気をつけましょう。
1.夜間に使用する
入浴やスキンケアに光毒性のある精油を使用する場合は、夜に使うと安心です。夜に使用し、翌朝に日光にあたるまでに時間が経過すれば、光毒性のリスクを軽減できます。
2.紫外線の当たらない部位に使用する
手首や首筋など、紫外線を浴びやすい場所への使用は避けましょう。光毒性が懸念される精油は、衣類で覆われる部分に使用するのが安全です。
3.適切に希釈する
精油は濃度が高いため、特に光毒性のある精油を使用する際には、キャリアオイルでしっかり希釈することが推奨されます。一般的には、1%以下の濃度(キャリアオイル10mlに対して1滴の精油)が安全とされています。
4.光毒性のない精油に置き換える
レモンやベルガモットのような柑橘系の香りを楽しみたい場合、光毒性のない類似の精油を使用するのも一つの方法です。例えば、スイートオレンジやマンダリンなどは光毒性がないため、安心して使用できます。
光毒性について知っておくべきこと
光毒性の反応は一度起きると数週間から数ヶ月残ることがあり、色素沈着が生じることもあります。特に紫外線が強くなる季節には、光毒性のある精油を肌に使用する際には十分注意が必要です。また、日光を浴びる予定がある場合には、使用を控えるか紫外線対策を徹底することが大切です。
安全に精油を楽しむために
精油は適切に使用すれば、リラクゼーションや健康維持に大いに役立ちます。光毒性を持つ精油については、効果を理解しつつも使用方法に十分注意することで、安全で効果的なアロマ体験ができます。特に日本のように四季がある環境では、季節や用途に応じた使い方を工夫して、アロマテラピーを楽しみましょう。